スタッフブログ

スタッフ日記


2020年3月17日 : Work Song 1
Work Song 1

 雇用・労働問題と一口にいっても、他業種のことはわからない。労働集約型で低賃金労働が主流の我が業界に限れば、世間にとって問題解消の動きも、逆に大問題化につながるジレンマに陥っていきそうだ。気がかりな幾つかの点について考えてみたい。

 まずは、長時間労働の是正という動きに関して。日本の労働時間規制はないに等しい、この定義は間違っていない。
 例えばEUでは、残業の絶対的上限時間を定め、かつ退社から次の出社まで、最低限11時間空けなければならないのがルールだ。仕事を余分にさせないという思想が徹底している。わが国でも割増賃金50%上げや年次有給休暇の完全消化義務化など検討が始まり、一部は実現に向けて動き始めてもいる。

 欧米の考え方の根底には、雇用する側・される側に、明確な価値観の対立がある。企業が欲するのはあくまで”労働力”であり、労働者は自らの能力と時間を”売る”ことで生計を立てる。彼らにとって労働とは、まじりっけなしの「苦役」なのだ。一生困らないほどの資産があれば働かず遊んで暮らしたい、それが人生の最終到達点に思える。

 だいぶ欧米化が進んだ今の日本に、同じ価値観を持った人種の増えていく可能性はある。しかし現場で働く皆さんを見ていると、生活のため仕方なくというより、せっかくの仕事をより良きものにしようとする心根が強く伝わってくる。
 仕事は決して「苦役」でなく、人生の一部という捉え方だ。



仕事が楽しい それって社畜?
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2020年3月12日 : 好きよ 嫌いよ 9
好きよ 嫌いよ 9

 長い付き合いの協力業者さんで、職人気質の一人親方がいる。僕と同じ昭和37年生まれで、いわゆるアラ還(暦)世代にあたる。

 任せて安心の仕事人で、取引先からも外注するならこの人と、逆指名されることが少なくない。もちろんクレームなんて、過去1件も発生していない。
 と言うと、取引相手として非の打ち所がない様で、逆を申せば融通が利かない。受けた仕事は必ず自分が出向き、仕上げまで見極めなければ気が済まない。身は一つだから、依頼されても請けられる範囲は自ずと狭まる。実際、新規の案件を打診しても断られることが多い。だからいつまで経っても、仕事の幅が広がらないまま今日を迎える。

 仲間が数人いて、規模に応じて何人かに声をかける。彼が選んだ皆さんだから、誰もが水準以上の仕上がりだ。
 以前なら一緒に飲んだ時など、ウチからの発注をある程度彼らに任せちゃどうかと勧めたもんだ。「いやぁ、それが性分で出来なくて…」返事はいつも決まっている。「子供が大学出るまで頑張れば、後はやめても良いと思ってるんで」その子たちも、今や立派な社会人になった。

 そして相も変わらず、彼はわが社のために汗を掻いてくれている。一時は肩の痛みを訴え心配したが、仕事は休まずこなしてきた。
 今さら彼に、会社を大きくしたらと勧めたりはしない。動けなくなれば即リタイア。そしてわが社は、彼の後任を探すしかないだろう。

 事業の存続は商売人にとって、取引先に果たすべき大事な使命だ。職人一徹の彼はその命題を理解できぬまま、近い将来店じまいの時を迎えるだろう。とても残念なことだけど。



妥協せず
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2020年3月11日 : 好きよ 嫌いよ 8
好きよ 嫌いよ 8

 あんまり大きな声じゃ言えないが(ホントはちっちゃい声でも言わないほうが良いのだが)、お取引先にも話の合う方や、じゃないかもしれない方など、様々いらっしゃる。好き嫌いあったって仕方ないさ、人間だもの。

 20数年来のお付き合いで、僕ごとき者でも事務所に顔を出せば、エラく歓迎頂き1時間や時には2時間でも、会話の弾む管理職の方がおられる。業界一筋、施設のことなら隅々までご存じで、商売にまつわる話に始まってすぐに脱線し、後はとめどなくあらぬ方向へと向かう。それがまた楽しい。

 先方にとって、我が社は100を超える取引先の1つに過ぎない。ただし契約が始まって4半世紀、99の業者が変わっても、ウチに限ってはそのままの関係が続いている。
 それを支えるのはもちろん、現場の方が日々積み上げてきた高い仕事の質と信頼だ。70名という、ちょっとした会社より大人数の所属する同施設を束ねる所長さんは女性である。こちらも始めから、不変の存在だ。

 実は彼女の前職は、呑み屋のママ。だからイコールというわけじゃないけど、人のあしらいがずば抜けて上手い。僕などはこのさばきを、「一代限りの芸」と呼んでいる(誉め言葉ですからね)。

 先の管理職の方に留まらず、今や奥様とまで良好なお友達関係を築いている。別に意図的なものじゃない。一つの話の流れから、自然に形成されていったのだ。結果的に職場にも良い循環をもたらしているのだから、大したもんである。

 彼女もそうだが、女一匹、生きていく人たちは僕の知る限り例外なくたくましい。そして人から好かれる”努力”を、怠らない人たちでもある。



それじゃ朝まで付き合うか 悪い女と知り合った
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2020年3月9日 : 好きよ 嫌いよ 7
好きよ 嫌いよ 7

 入社したのは平成6年3月。時間を置かず新規公共施設の管理を当社が落札し、4月1日には契約開始となった。業務内容は日常清掃と設備保守で、1名ずつが採用される。

 素人同然の僕であっても、他に担当者がいないからこの施設の立ち上げを担うことになる。設備要員は経験豊富で、ちょっと頑固なところのあるオジサン。清掃は、ちょうど60歳になったばかりの業界未経験の女性だった。

 このオバサン、顔のつくりがよくできていて、口角がキュッと上がっている。ご本人にそんな気はないとあとから聞いたが、いつもニコニコ、愛想よく見えてしまう。性格は至ってのんびりで、四角い角を丸く掃いてはいつも埃を残すという仕上がり。設備のオジサンはいらいらしてるし、それじゃ困ると立場上ご指導申し上げるわけだが、脇で箒持ったまま微笑み佇んででいられると、脱力というか怒る気も失せてしまう。

 結局この方、病気を理由にお辞めになる5年ほどの間、一度のクレームもなかった。それどころか毎年変わる窓口の職員は、口をそろえて「よくやってくれてるよ~」と好意的な評価ばかり。この仕事で?んなバカな。
 若い女性職員(地方公務員ね)に至っては、清掃中のこの方をつかまえては恋の悩みに、小1時間ほども花を咲かせたものだ。聞き手のオバサンはいつだって、モップ片手にニコニコ立ったまま。仕事してよ。でもひょっとして、これも大事な仕事のうちだったりして。

 この業界に入ってまず学んだのは、時に人は仕事の質より、好き嫌いで評価してしまうという厳然たる事実だった。



笑顔は人のためならず
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2020年3月4日 : 好きよ 嫌いよ 6
好きよ 嫌いよ 6

 ウチは社員よりも短時間パートさん主体の会社だから、大方の人は(長くて)数年で入れ替わる。辞める人は1日で来なくなるし、っていうか初日から来ない人も珍しくないわけだが、一方、10年20年と勤務される方も少数ながら存在する。

 例えば、常駐現場で日常清掃しているSちゃんが入社したのは、30歳そこそこ。チョット見は地味だけど、あどけない表情がかわいらしくて、いずれ結婚して職場を離れるんだろうくらいに思っていた。気づけば今は、40代後半になるのか。
 その間、取引先から一切のクレームなく、黙々と勤めてくれているのはありがたい限りだ。でも、なんかどこかで複雑な気分にもなる。同じ職場の同僚はみな主婦の方々で、家計の足しにと仕事をされている。彼女だけが社会保険料を納め、ひとり老後に備えているのだ。もっとキミには、幸せになって欲しいんだけどな。

 今どき、こんなこと書くと女性蔑視とのそしり受けそうだが、それに彼女にしかわからない事情も知らずに余計なおせっかいを焼く義務も権利もないわけだが、やっぱ、気になっちゃうんだよなぁ。

 ご本人はそれで分相応と割り切っているのだろうし、文句の一つ言わず日々の業務をこなしてくれる彼女のような存在こそ、会社にとっては財産である。これからも末長くお願いしますね。

そうだとしてもSちゃん、人生のパートナーに、どこかで出会ってほしいな。



それが貴女の生きる道
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