失恋と音楽 2

失恋と音楽 2

 アタシの10代、暗かった。
 20代になってもほぼ暗黒の日々は続くが、瞬時、輝いた時もある。なんと、こんな僕が若き日に「略奪愛」を仕掛けたのである。別に相手が既婚者というわけじゃなかったけれど、それに男の方は毎日顔を合わせる間柄で、彼女とそんな関係とは露知らず、意識せず「手を出した」に過ぎなかったが。

 異性と心が通じ合えた、少なくとも自分にとってそう思えた過去は数えるほどだ。恋愛関係に疎く、まだ若かった世間知らずは、些細なきっかけから一瞬で相手にのめり込んだ。
 毎夜、彼女のアパートに出向いては具体性などまるでない2人の将来について、時間の許す限り語り合った。あの頃の僕にとって恋愛とはゼロか百、獲るか獲られるかの二択でしかない。「オレの女」などと今は死語かもしれないが、当時の彼女は僕にとって、この世で最も大事な所有物だった。

 2人の蜜月は、2週間足らずで終焉した。彼女が元のさやに戻ったためである。自分のボロ家に、深夜かかってきた彼女からの別れの電話。「私ね、アイツとは別れられないの」。
 とても納得などできず、何度も彼女のアパートに出向いた。そのたび男の車が停まっているのを目にし、なす術なく引き返す毎日を続け、最後の最後、諦めた。

 絶望とはまさにこのことか。生きている意味を見失い、魂の抜けた日々を過ごす中、どうにか切り抜けていけたのも音楽の力だった。

https://www.youtube.com/watch?v=jn8EtaxGJP0 ←コピペして聴いてね。



何か、冷たいものを頂戴
お問い合わせはこちらから!
?Gg[???ubN}[N??