貯水槽清掃作業監督者 3

貯水槽清掃作業監督者 3

 貯水槽の講義で唯一記憶に残っているのは、東京都元保健所職員氏による体験談だ。

 昭和40年代、公営団地の住民から、水が臭いと保健所に連絡が入った。
 おそらく当時、貯水槽なんて仕組みが、一般に浸透していなかった頃だろう。出向いた彼が屋上に上がると、高架水槽の前に女性用サンダルがきちんと揃えて置かれていたという。そこから先は申し上げませんが… なんて、思わせぶりに受講者を見回す。上手いんだ、この人。
 ノイローゼになった主婦が身を投げようと屋上に上がれば、見慣れぬタンクに水が張ってある。落ちて死ぬより入水した方が、すぐに見つからず都合がいいとでも考えたか。この事件が影響したかどうか、今は天板に鍵が掛かるようになっている。

 皆さんは、ネズミのシッポをご存じですか。昔はよく、錐の蓋なんかに使われたもんです。とても丈夫に出来ていまして、配水管から入り込んだネズミが中で溺死するとだんだん溶けていくんですが、最後まで原形を保つのが、このシッポなんですね。

 趣味ワル。でも、しょせん記憶に残るのはこういう講義だったりする。もちろん今は、ネズミ昆虫が入り込めない構造になっているのでご安心を(逆に50年以上も前の施設だと、チと不安)。



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