昭和おんなブルース

昭和おんなブルース

 旅館の二次会は地下のクラブに移動する。個人的にコンパニオンが苦手で、おねぇさんに横に座られてもちっとも嬉しくないし、若い娘だと共通の話題もなくて、無理やり話を合わせなくちゃならないのが苦痛だ。「私、アン・バートンの癖っぽいボイスが好きなの」くらい言われた日にゃ、メロメロになること請け合いなのだが。

 そこは20数年来のお付き合い。毎回馴染の和服接待がいて、こっちを客とも思わず日常の愚痴を言いたい放題。「タバコ吸っていい?」「ダメ」。客の返事を無視して平気でスパスパ。実はそういうのが、ほろ酔いの僕には楽しい。

 この日は普段会話しない、やはり馴染の御姐さんが一次会から酔っ払いはじめ、二次会に至って僕にくだをまき始めた。若い新人が宴会場を隈なく回らず、一つ所に腰を落ち着け特定の客としか会話しないのが、なっちょらんというわけだ。酔って客に絡むキミの方がよっぽどなっちょらん気もするが、面白いからどんどん言わせる。

 どうせあたしはババァだから! そうか、そこに勝手に傷ついていたのね。「キミは全然ババァじゃないよ」。この一言で、だいぶ御姐さんのご機嫌が戻った。

 年増コンパニオンの聞き役、商売にでもしたら結構いけるかな。自分の伴侶以外なら、すねた女性もなかなかに可愛い。



色香に惑わされる年代を過ぎた方
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