よこはま たそがれ ホテルの小部屋

伊勢佐木町のホテルに着いたのは、15時を少し回ったころ。 さして温度は高くないのに、JR関内駅から10分ほど歩いただけで、拭う先から不快な汗が流れてやまない。 夏の名残なのか、高い湿度にムシムシとしている。

伊勢佐木モールを進む道すがら、耳に届く会話の大半は中国語だ。 今どき珍しいほど、歩きたばこのオジサンと何人もすれ違う。 「だぁから、バイアグラあれだけ渡しといたのにさぁ」「そっちまでやっちゃうと、必ず違うとこまで要求されるんで、どうするかですよ」などと、歩き携帯の人達の遠慮ない声が、高い音量で商店街にこだましている。 パチンコ屋の前でしょげているおっさんにちょっかいをかけ、「うるせぇ!」と怒鳴られるとキャッキャッ笑いながら立ち去る、ちょっと化粧濃いめのご婦人二人組。 何か、アジア。 何か、昭和。

17時前にランドマーク・タワーに着けばいいので、1時間ほどホテルでヒマを潰さなければならない。 412号室のベッドに腰を降ろし、テレビのリモコンボタンを押す。 TVK(テレビ神奈川)で、「助け人走る」の再放送をやっていた。 時代劇「必殺」シリーズの3作目に当たる。 本放送は土曜日の22時、小学4年生の僕は、常に就寝しているはずの親の目を気にしながら、毎回欠かさず観ていた。 この時代は自主規制が緩く、かなりきわどい(具体的には男子の股間を熱くする)番組が多い時間帯だったのだ。 数年後、同じ時間帯に放送された「テレビ三面記事 ウィークエンダー」なんて、ホントすごかったもんなぁ。

e11d4af1a63b9d293e859307ec982d5640年以上の時を経て再びまみえたドラマは、陰々滅滅たるものであった。 悪い殿さまに仕え、自分の女房を寝取られた家臣が、彼女を救いだし逃避行を試みる。 いざ出奔の矢先、女房のつわりの兆候を目にしてうろたえれば、外で待ち受けた殿さまの家臣に女房を連れ去られ、追いついた屋敷で多勢に切り殺されてしまう。 旦那の非業の死を眼前にした女房、隙を見て殿様の刀を抜き、自刃する。 もちろん悪い人達は、素浪人・中山文十郎(田村高廣)と辻平内(中谷一郎)に成敗され終わるのだが、かりそめの墓前を前にした“しの”の台詞、「この二人は生き続けることの方がつらかったのよ」などと、救いようのない後味ばかりが残る。 そういえば「ウルトラセブン」のどこか無機質でひんやりとしたテイストの残滓を、同じTBSだからなのか、ちょっとあるよう感じた。

実は「助け人走る」で僕が記憶しているのは、本編ではなく最後に流れる主題歌の方だ。 森本太郎とスーパースター「望郷の旅」。  すでにバンド名からしてあまりの格好よさにしびれてしまうが、森本太郎といえばザ・タイガースのギタリスト。 名曲「花の首飾り」を唄ったご仁だ。 YouTubeを開いたら、「望郷の旅」がちゃんと公開されていた。 やっぱり好きな人、ちゃんといるんだな。
7月に逝去された平尾昌晃の、これは最高傑作かもしれない。 それにも増して、安井かずみの詞が秀逸。 「すすきの原は銀の色 風が身にしみる」なんて、まず今の時代に再現不能な“うたことば”だろう。

16時になって、チャンDKkd5-IVAAIFAlnネルをひと回り。 ドラマの再放送を除けば、緑のたぬき・小池百合子氏をめぐる話題で花盛り。 今のところ大手メディアは、百合子ちゃんの野望に連れ添う気配濃厚である。 こいつら、安倍憎しに凝り固まるあまり、視界不良に陥っちゃってんじゃないの。 連合という“しがらみ”の代表みたいな組織を受け入れる段階で、希望の党の綱領は崩壊している。 っていうか百合子ちゃんにたかってくる人達って、自分本位があまりに露骨過ぎて気持ち悪い。 中山恭子さんは旦那のためでなく、貴女の立派な信念に従って再考されてはいかがでしょう。 「棄望の党(希亡の党?)」は、貴女にまるで似合いませんよ。

わけて民進党を実質解党する張本人の前原くん(「後ろから前原」とは、文春に載った北朝鮮おねぇさんとの2ショットから命名されたそうで)の、あんまりにもあんまりな答弁が情けなさの極みである。 「政権交代の実現のために、名を捨てて実を取る」ってどういう意味? 選挙を戦う前から「参りました」って言ってんのと一緒じゃん。
「おまえ、男だろ」などと、今どき差別発言と受け取られかねないが、敢えてキミに投げつけたい言葉だ。 未来ある乗客に間違った情報を流し続け見殺しにし、自らは一命を取り留めたセウォル号の船長の姿を彷彿とさせる。 前原くんの場合、沈みゆく船に最後まで留まったとして命まで取られる事はないし、本当に志があるのであれば(ないけど)、その潔く気高い態度は必ずや後に評価され、党再生の可能性だってゼロではなかったはず。 こいつ、ほんとクズ。 こういう奴にだけはならぬよう、自らを戒めようと思った次第。

宴が終わったのが午後7時過ぎ。 ホテルに戻る車中、されば「伊勢佐木あたりに灯(あかり)がともる」のだ。
これは、青江三奈「伊勢佐木町ブルース」の一節。 作詞は川内康範、「行けレインボーマン」「ヤマトタケシの歌」「あいつの名前はレインボーマン」「死ね死ね団のテーマ」(ぜんぶ「愛の戦士レインボーマン」の挿入歌だが)という空前絶後の名作を世に問うた、大先生の手になる。
「ドゥドゥビ ドゥビ ドゥビ ドゥビ ドゥバー 灯(ひ)がともる」と、どこがブルースなのかようわからんが、この作品もやはり大傑作である。 僕など、芥川隆行さんのナレーション付きCDをもっている。 だから何が自慢なのか誰にも“わかんねぇだろうな”だが、この事に堂々胸を張りたい。 ビーボより美味いのは、ビーボだけなのだ。

夜が明け、やはり関東でしか見れないTOKYO MXにチャンネルを合わせる。 主要株主に中日新聞、つまりは東京新聞が名を連ねる反安倍政権の先遣隊みたいなイメージだが、地上波で唯一真っ当な番組と思われる「ニュース女子」を放送する局でもある。

話しはそれるが先日、同業の原部長から「いつもブログ見てますよ」と言われ動揺した。 だって僕が書いてる事は、小島昇一と福西雅之2名のみを意識した内容に終始していて、いわば内輪受けの極致、閉じた世界観に成り立っているのだ。
それが以前、百田尚樹「カエルの楽園」の書籍を添付したところ、僕が推薦したと判断、購入されたという。 冷や汗タラリである。 謙遜抜きに、他人に影響を与えるそんな人間に育った覚えなど、僕にはなかったからだ。

16122586_1543499942331962_2482086223405907968_nそこで畏れ多き原部長に、改めお勧めさせて頂くとすれば、BS11木曜午前2時から「ニュース女子」が、2週遅れくらいで放送されております。 もし視聴可能な環境にありましたら、こちらは無償ですのでぜひご覧ください。 まさか起きていられる時間帯ではありませんので、予約録画でどうぞ。
ちなみに10月5日放送分は、「大好評第3弾!財務省はなぜダメなのか?元官僚・高橋洋一が大暴露!「財務省はウソつきだ」!?10年間公表できなかった財務省の秘密とは?最強官庁「財務省」徹底解剖!」とありました。 高橋洋一さんのお話は、目からウロコ間違いなしですよ。

TOKYO MXでは堀潤司会の朝の番組で、やはり小池百合子の話題を取り上げていたが、希望の党党首でなく東京都知事に対する視点であったのが新鮮だった。 東京の番組だから、これが自然なのだろう。
分析も客観的で、大手メディアとはだいぶ趣が異なり、都民ファーストの会の評価などけっこう辛辣でさえある。 都議選前はあんなに威勢の良かった音喜多氏含め、都民の代表のはずの議員の意見が事務局によって完全に押さえこまれている異常性をついていた。 安倍政権などありもしないモリカケ“問題”でサンドバック状態にされているのに、都議会の現状を指摘する大マスコミは皆無に等しい。 このままいくとマジでオリンピック、ヤバいかもよ。 都知事のおばちゃん、自ら作った問題放り出して、国政に行こうとしてるしね。

9時少し前、ホテルを後にする。 風が冷たく湿度も低い。 今朝、秋が来た。

カテゴリー: 担当者の趣味、その他   パーマリンク

コメントは受け付けていません。