人手不足は誰のせい? それと、「牛の首」って知ってる?

我が社のホームページが一新した。 だからと、組織の中身が刷新されたわけなんかではチーッともないものの、何となく気分はイイ。

しかるに僕が作るブログは、旧態依然・古色蒼然のまま。 ごくごく少数の対象者に向けた、ヘタすると世界で1~2人くらいしか意味が通じないだろう究極の閉じこもり文章にこれからも終始するつもりなのだが、ひるがえってスタッフの皆様には、映像情報を主体に発信して頂くようお願いした。

例えば、住み込みで働きませんかの求人を、他県の情報誌に出したとする。 今日もたまたま午前中、箱根の事務所にいたら福島に住む24歳の若者から電話があって、彼が言うにはこちらの寮に住み込んでバイトで短時間働き、空いた時間で東京に社員のクチを探したいなどと言う、チョー身勝手にして一方的な希望を述べられたものだが、それはさておき、仕事が薄い地方から未知の関東に単身出てこようと思い立ったとき、寮あり・週5日勤務・月給〇〇円の字づらだけじゃ、イメージも湧きにくい。 先輩がどんな年齢層でどんな仕事をしているとか、寮の中はどうなっているとか、近くに買い物できる店があるかとか、別に凝った演出は不要で、スマホで撮った1分くらいの映像でいいからホームページに貼れば、今より情報量として圧倒的ではないかと考えた。 今の人達なら、会社情報をネットで検索するくらい、常識だろうから。 これなどお客の呼び込みが目的じゃなくて、すべては従業員勧誘のため発想したことである。

ともかく、友が苦しみ藻掻くともかくの如く、働く人が集まらないんだよ~ん、だ。

もともと人気のない裏稼業、もとい裏方稼業ゆえ、人手不足は今に始まったことでないにしろ、場所・条件・資格を問わず、これほど人が集まらない時代などかつて経験した覚えがない。 過去どんなに来ない現場でも、ひと月猶予があれば何とかなった。 ところが、それが熱海駅から徒歩1分という抜群の立地条件であっても、この3か月出し続けた求人誌(紙)が数10に及ぼうと、ぜ~んぜん、面接希望者が現れないのだ。

人手不足は我が社に限った事でなく、業界全体が抱え、今後さらなる深刻化が見込まれる事態である。 実に恐ろしい。 この恐怖、まさに「牛の首」に匹敵する。 丑の刻、音も光も絶えた弘法の寮(そういう寮が箱根にあるのだ)。 たたずむヒロちゃんともうひとつの“何か”が、隣り合って互いに相手の存在を探り合っている時のような、それは根源的な鬼胎である。

ビビリくんをビビらそうとして、話がそれた。 何が言いたいかというと、人手がなくて遂に現場がクラッシュしてしまう日も、遠からず発生しそうなリアリティゆえの恐ろしさ、というか、昨年末に出せる従業員が枯渇し、本当にバンザイしちゃったところがあるって、聞いたばかりだ。 それって誰のせい? 時代のせいにはできんわな。 企業努力が足りないの一言で一喝されて終わり、賠償もせなならんやろ。

誰かのせいに出来んのなら、自ら解決していかにゃあなるまい。 めっちゃポジティブに考えれば、この難題さえクリア出来れば、今後は仕事の広がるチャンスに溢れているとも言える。 実際、ホテル関係の引き合いは増え続けている。 来月から契約が始まる横浜のブランド的ホテルの業務も、前経営者が手放す大きな理由の一つが、従業員の高齢化と人手不足にある。 正味、あと10人ほしい。 ただいま狩野窪業務部長が、必死こいて求人に奔走している。 あのぶっきらぼうな対応がウリの彼が、80歳まで2年余りというシニアまっしぐらの女性に対し、「いやいや、とてもそんなお年に見えませ~ん」と媚び媚びの慰留に努める姿など、皮肉抜き、感動的ですらある。 仕事に打ち込む、真面目なヤツだぜ。 それを傍でニヤニヤ見ている僕は、あんまマジじゃないかも。

世がいくら少子化と言え、数年で極端に働き手が減ったことには、外的要因が少なからずある(ホリエモンの登場が潮目だったと、今でも思っている)。 しかし今まで、分かっていながら手つかずだった内在的要因があることの方を、内省すべきであろう。 だからと単に給料を上げる事でも、労働条件を整える事でも解決はしない。 そんな気がする。 誰も知らない「牛の首」。 誰が教えてくれんでも、地方零細企業の身の丈に合った解決策は、きっとあるはず。 そして、羽ばたく。

※ 「『牛の首』というとても恐ろしい怪談があり、これを聞いた者は恐怖のあまり身震いが止まらず、三日と経たずに死んでしまう。 怪談の作者は、多くの死者が出たことを悔い、これを供養するため仏門に入り、人に乞われても二度とこの話をすることは無く、世を去った。 この怪談を知るものはみな死んでしまい、今に伝わるのは『牛の首』と言う題名と、それが無類の恐ろしい話であった、ということのみである」というもの。(ウィキペディアより)


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